SHORT STORY『心がかたちになるまで – Until My Heart Takes Shape』
- guitar0831
- 3 日前
- 読了時間: 1分

最初は、ただの“ほわほわ”だった。
形もなく、輪郭もない。頭の中で光っているようで、
掴もうとすると消えてしまう。
でも、なぜかその光を、どうしても形にしたくなった。
だから、線を引いてみた。言葉を選んでみた。音を重ねてみた。
描けば描くほど、理想は崩れていく。
現実の重力が、そっと試してくる。
「本当にそれが、君の思う“美しさ”なの?」と。
それでも、手を止めずに考え続ける。
描き直し、削り、また少し足してみる。
気がつけば、理想は現実の中で少しずつ“かたち”を見つけていた。
完璧じゃなくていい。不揃いな線の中にこそ、本当の温度が宿っている。
光は、影があるから見える。夢は、現実に触れたときに強くなる。
そうして今日も、心は少しずつかたちになっていく。
ピーターは言う。「心の中の光を、線に変える勇気があるなら、 いつかそれは、世界のどこかで風になる。」

コメント