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BLOG

せかせかしすぎず、
自分のペースで、好きなことを噛みしめる。
「Boo Log」は、そんな“ブタ的生き方”の記録帳。
土の匂い、音のひびき、光のかたち──
クリエイティブな日々を、鼻先で感じながら綴ります。
「Book+Blog」=本のように読み返したくなるブログ
「Boom+Log」=感動や発見を“ブーム”のように記録
「Boo(豚)+Log」=ブタのように、素直でまるい心で日々を記録する。
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SHORT STORY 『Everyday Update – 自分をチューニングする日々』
― セルフブランディングという、日々のリハーサル ― 人は、昨日と同じように生きているつもりでも、 ほんの少しずつ、変わっている。 見た景色、聞いた言葉、出会った人。 そのひとつひとつが、 自分というブランドを少しずつ塗り替えていく。 セルフブランディングって、 “かっこよく見せること”じゃなくて、 “本当の自分をチューニングすること”なんだと思う。 理想の自分と、今の自分。そのあいだのギャップを、 昨日よりもやさしく見つめなおして、ほんの少しだけ、更新する。 たとえば、昨日より素直にありがとうを言えたとか、 昨日より誰かの話をちゃんと聞けたとか。 そんな小さな変化が、自分という音を美しく響かせていく。 ブランディングとは、名刺やSNSのデザインではなく、 「自分の在り方のアップデート」。 ─ ピーターは言う 一歩ずつでいい。Everyday Update。 それがきっと、君らしい光を育てていく。


SHORT STORY『そのズレが、風になる』
風は、まっすぐには吹かない。 少し曲がって、揺れて、遠回りして ―それでも、ちゃんと届く。 人も同じだと思う。 まっすぐすぎると、誰かを傷つけたり、 完璧を目指すほど、心が固くなったりする。 だけどね。 ちょっとズレてる人のそばにいると、 空気がふっとゆるむんだ。 冗談みたいな言葉で、緊張をとかしてくれる。 変な間があっても、誰も気にしない。 むしろ、その間に笑いが生まれる。 それはたぶん、「間違えてもいいよ」 っていう、見えないやさしさ。 その空気の中では、人は安心して、本音を話せる 。守らなくてもいい自分でいられる。 そして気づく。ズレていることって、欠点じゃない。 誰かの心を軽くする、風の入口なんだ。 だから、無理して合わせなくていい。 自分のリズムで、笑えばいい。 そのズレが、きっと誰かを動かしていく。 ピーターは言う。「世界をまっすぐ変えるのは、まっすぐじゃない優しさなんだ。」


SHORT STORY『心がかたちになるまで – Until My Heart Takes Shape』
最初は、ただの“ほわほわ”だった。 形もなく、輪郭もない。頭の中で光っているようで、 掴もうとすると消えてしまう。 でも、なぜかその光を、どうしても形にしたくなった。 だから、線を引いてみた。言葉を選んでみた。音を重ねてみた。 描けば描くほど、理想は崩れていく。 現実の重力が、そっと試してくる。 「本当にそれが、君の思う“美しさ”なの?」と。 それでも、手を止めずに考え続ける。 描き直し、削り、また少し足してみる。 気がつけば、理想は現実の中で少しずつ“かたち”を見つけていた。 完璧じゃなくていい。不揃いな線の中にこそ、本当の温度が宿っている。 光は、影があるから見える。夢は、現実に触れたときに強くなる。 そうして今日も、心は少しずつかたちになっていく。 ピーターは言う。「心の中の光を、線に変える勇気があるなら、 いつかそれは、世界のどこかで風になる。」


SHORT STORY『風の向こうで』
夕暮れの街を歩いていると、風がふっと頬をかすめた。 それはまるで、誰かが「大丈夫」と囁いてくれたようだった。 あの日、うまくいかないことが続いて、 自分の力なんて、たかが知れてると思っていた。 でも、立ち止まったその瞬間にだけ、 聞こえる声があることを、僕は忘れていた。 静かな風の音。 それは、誰かの優しさでもなく、奇跡でもない。 自分の中にある、まだ諦めていない“何か”の音だった。 思い返せば、何度もそうやって歩いてきた。 誰かの背中を追いながら、本当は自分の足で進んでいたことに、 あとから気づく。 見えない風は、きっとそういうものだ。 前に進む力は、外からもらうものじゃない。 それは、心の奥でずっと眠っていた。 信じるという小さな炎のように。 足もとを見れば、昨日よりも少しだけ、光がやわらかく見える。 風の向こうには、もうひとりの自分が笑っている気がした。 「風の音は、励ましの声なんだ。 誰かのものじゃない。 自分が、自分にかけている言葉なんだよ。」 ──ピーター


SHORT STORY『地図と風のあいだで』
正しさを信じて、まっすぐに進んでいた。 予定表はぎっしりで、地図の線の上を一歩も外れないように、 今日も急ぎ足で歩いていた。 けれど、ある日、風が吹いた。 手にしていた紙の地図がふわりと舞い上がり、 道路の隅でくるくると踊るように回った。 拾おうとした瞬間、なぜか足が止まった。 地図の代わりに目に入ったのは、街路樹の影と、 その隙間からこぼれる午後の光。 見慣れた道なのに、まるで初めて通るような気がした。 「このままでいいのかな」と思った。 正しいことを積み重ねてきたはずなのに、 心のどこかで、何かが欠けているような。 風が頬をなでた。どこかへ導くような、やさしい風だった。 地図にない道を、一歩だけ踏み出してみる。 そこには、目的地も答えもなかったけれど、 なぜか胸の奥が、あたたかくなった。 立ち止まることも、寄り道することも、 地図には書かれていない“生き方”なのかもしれない。 ピーターはいう。 「正しさは道を描くけれど、 愛は、その道に風を吹かせるんだ。」


SHORT STORY 「商人の承認欲求 – The Market of Hearts –」
夜の街に、ひとつの市場がある。 そこでは、人々が“心”を取引している。 輝く値札、まぶしい広告、完璧な笑顔。 通りを歩く誰もが、自分を少しでも高く売ろうとする。 「この商品は、どれだけの“いいね”をもらえるだろう。」 「この言葉は、何人の心を動かすだろう。」 その中に、一人の商人がいた。 彼は毎日、評価と数字の波に揺られながら、より多くの承認を求めて声を張り上げていた。 だがある夜、店の灯りがひとつ、ふっと消える。 静寂の中で、彼は自分の胸の奥に小さな火を見つけた。 それは、誰かに見せるためではなく、自分を照らすために灯された光だった。 彼は気づく。 ―リスペクトは、値札のつかない宝だ。 ―数字ではなく、心で受け取る贈り物だ。 その日から、彼の店は少しだけ変わった。 派手な看板はなくなり、代わりに小さなランプが灯った。 その光を見つけた人々は、静かに微笑みながら店に立ち寄るようになった。 市場の風がやわらかく吹く。 “売る”ことから“届ける”ことへ。 “承認”から“尊重”へ。 それが、本当の“商い”の始まりだった。 ■Message 人は誰も、心


SHORT STORY「リスペクトの目で見るとき」
同じチームで働く二人がいた。 片方は、いつも周囲の評価を気にしていた。 「上司は自分をどう思っているだろう」 「ちゃんと認められているだろうか」 そんな不安が、彼の行動を少しずつ硬くしていった。 もう片方は、違っていた。 相手の立場をよく見て、そっと手を貸したり、 相手の言葉の奥にある想いを受け取ろうとしていた。 誰かに褒められることよりも、「この人の仕事、素敵だな」 と思ったら、それをまっすぐ伝えた。 ある日、二人が同じ会議にいた。 いつも承認を求めていた彼が、ふと気づいた。 その相手の言葉には、 “評価”ではなく、“尊敬” がこもっていることを。 彼はそのとき、胸の奥が少し温かくなった。 「この人は、僕を利用しようとしているんじゃない。 ただ、僕を一人の仲間として見てくれている。」 それから、彼の表情が少しずつ柔らかくなっていった。 評価されるためではなく、共にいい仕事をつくるために、言葉を交わすようになった。 不思議なことに、リスペクトを向けた瞬間、まわりの目も彼をリスペクトし始めた。 それは、求めた承認とは違う、静かで確かな信頼の光だっ


SHORT STORY 「言葉のソムリエ」
夜の街角に、小さなバーがある。 看板には、手書きでこう書かれている。 “Words & Wine.” その店には、グラスではなく「言葉」を注ぐソムリエがいる。 彼の名はピーター。 客はそれぞれ、心に何かを抱えてこの店を訪れる。 「伝えたいのに、伝わらない」「言いすぎてしまった」「沈黙が怖い」 そんな人々に、ピーターは静かに問いかける。 「いま、あなたの心にある味はどんなものですか?」 涙のように苦い言葉。風のように軽い言葉。 少し酸っぱい、後悔の言葉。 ピーターはそれらをそっと混ぜ合わせ、グラスに満たして差し出す。 「焦らなくていい。 言葉は、急いで飲み干すものじゃない。 香りを確かめながら、ゆっくりと、心に沁みこませるんです。」 一口、言葉を味わうと、不思議なことに、胸の中のもやが少しだけ澄んでいく。 やがて、客は立ち上がり、微笑む。 「ありがとう。あの人に、もう一度話してみます。」 ピーターは軽くうなずきながら、グラスを磨く。 店の外には、静かな風が流れていた。 ── 言葉は、心のワイン。 温度を変えれば、味も変わる。 誰かと分かち合えば、


SHORT STORY 「はじまりの風 物語を感じさせるプレゼンルーム」
このプレゼンルームは、単なる「説明の場」ではない。 ここは、まだ語られていない“物語の序章”を感じるための空間である。 訪れた人が最初の一歩を踏み入れた瞬間、 柔らかな光が壁を流れ、空気の温度が変わる。 その小さな変化こそが、物語の導入だ。 情報を伝えるのではなく、体験を紡ぐ。 言葉よりも先に、空間が語り出す。 光のラインが「はじまりの予感」を描き、 静かな音のレイヤーが心を整える。 そして中央のステージに立つプレゼンターの声が、 まるで映画の一場面のように空間に溶けていく。 この部屋の目的は、相手を納得させること”ではなく、 相手の心を動かすこと”。 説明とは、押し付けではなく、共鳴のデザインである。 だからこそ空間は、理性と感性の間に揺れる“余白”を持つ。 壁面に映る光、静かに呼吸する風、そのすべてが 「あなたの中にもこの物語がある」と語りかける。 建築は、言葉を超えて人の心を導く。 プレゼンもまた、建築と同じく“体験の設計”である。 この空間で話される一言一言が、訪れた人の中で新しい風となり、 行動へと変わっていく。 ピーターは言う。...


SHORT STORY「羽を整える日」
風の音で目が覚めた。 部屋のカーテンがゆらぎ、朝の光がそっと机の上を照らしている。 昨日までの慌ただしい時間の痕跡が、コーヒーカップの跡や開きっぱなしのノートに残っていた。 ピーターは静かに羽を広げた。 何度も風にのって飛び回った羽は、少しほこりをかぶっている。 指先で一本ずつ撫でるように整えるたび、柔らかな光が羽根の間を通り抜けた。 ――飛び続けるだけが、生きることじゃない。 誰かのために、何かを創り続けることは素晴らしい。 でも、ときどき、心の羽は摩耗してしまう。 焦って飛び立とうとすると、風を感じる余裕を失ってしまうのだ。 だから今日は、羽を整える日。世界を急がず、静けさの中で、 自分のリズムを取り戻すための小さな時間を過ごす。 ピーターは、枝の上で目を閉じた。 風が頬を撫で、どこか遠くの空で小さな羽音が響く。 それは、明日また飛び立つための合図のように聞こえた。 「飛ぶために、いまは止まろう。」 そうつぶやいて、ピーターは微笑んだ。 空は、もうすぐ明るくなろうとしていた。
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