SHORT STORY「リスペクトの目で見るとき」
- guitar0831
- 6 日前
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同じチームで働く二人がいた。
片方は、いつも周囲の評価を気にしていた。
「上司は自分をどう思っているだろう」
「ちゃんと認められているだろうか」
そんな不安が、彼の行動を少しずつ硬くしていった。
もう片方は、違っていた。
相手の立場をよく見て、そっと手を貸したり、
相手の言葉の奥にある想いを受け取ろうとしていた。
誰かに褒められることよりも、「この人の仕事、素敵だな」
と思ったら、それをまっすぐ伝えた。
ある日、二人が同じ会議にいた。
いつも承認を求めていた彼が、ふと気づいた。
その相手の言葉には、
“評価”ではなく、“尊敬”
がこもっていることを。
彼はそのとき、胸の奥が少し温かくなった。
「この人は、僕を利用しようとしているんじゃない。
ただ、僕を一人の仲間として見てくれている。」
それから、彼の表情が少しずつ柔らかくなっていった。
評価されるためではなく、共にいい仕事をつくるために、言葉を交わすようになった。
不思議なことに、リスペクトを向けた瞬間、まわりの目も彼をリスペクトし始めた。
それは、求めた承認とは違う、静かで確かな信頼の光だった。
ピーターは言う。
「人は、見上げられて育つのではなく、 見つめ合うことでつながっていくんだよ。

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